不動産投資の取得時の必要な資金について

大家の味方:不動産投資・空室対策・リフォーム・火災保険・法人保険・バイク駐車場・トランクルーム・節税

資金計画:取得時に必要な資金

不動産投資を始めるということは、すなわち不動産投資物件を購入することです。不動産投資物件を購入するためには、多くの場合において銀行融資を利用します。

 

不動産投資物件の費用を全て融資で賄うことを「フルローン」、諸費用を含めて融資を利用することを「オーバーローン」といいます。これらの銀行融資を利用するかしないかで、諸費用は若干違いますがが、共通してかかる費用も複数あります。

 

そこで今回は、それら諸費用と、必要となる頭金の関係について解説したいと思います。

 

不動産を購入する時の諸費用

 

@仲介手数料
不動産を購入するにあたり、不動産仲介会社を利用する時に仲介手数料があります。仲介手数料の金額は、物件価格の3%プラス6万円に消費税を加算した金額となります。

 

例えば、物件価格が3,000万円であれば仲介手数料は96万円と消費税になります。

 

ただ、これは不動産仲介会社が受け取ることができる「上限金額」であって不動産会社によっては、値引きをしている場合もあります。

 

A税金関係
不動産を購入する際には、いくつかの税金がかかります。購入する不動産の所有権移転をするための登録免許税、さらに司法書士に依頼する際の司法書士報酬がかかります。

 

また、銀行融資を利用する際には、上記とは別に、抵当権設定のための登録免許税と、それに伴う司法書士の報酬がかかります。さらに、これに加えて銀行融資に対する保証料、物件に対する火災保険料がかかります。

 

そして、不動産取得税だけは決済時だけではなく、後日請求が来ますので注意が必要です。

 

不動産の固定資産税は決済日を基準として、決済日の前日までの分を売主負担、決済日以降の分を買主負担とするのが一般的です。また物件から生じる家賃も同様に精算します。

 

不動産購入時の諸費用の中でも少ない金額で忘れがちなのが、不動産売買契約書に貼る「印紙税」です。これについては、売主と買主で折半とするのが一般的です。

 

なお、印紙税は契約書の原本だけに必要とされているので、節約する場合には、原本を1部としてその他は全てコピーとすることも可能です。

 

このように、不動産購入時には物件本体の金額以外にも様々な費用がかかります。物件価格の7%程度を諸費用の目安として資金計画を立てると良いでしょう。

 

フルローンとオーバーローンの違いについて
不動産投資を始める時には、銀行融資を利用することが多く、全て現金で始めることはほとんどありません。不動産の物件価格が、数千万円単位と高額になることが主な理由です。

 

車であれば新車だとしても、200万円程度でそれなりの車が購入できますが、不動産となると桁が違ってきます。安いアパート投資物件であっても2,000万円程度、また1棟マンションであれば1億円を超えることも決して珍しくないのです。

 

諸費用を除いた物件金額全てを銀行融資で賄うことを「フルローン」といいます。この場合諸費用については自己資金で準備する必要があります。例えば物件価格が3,000万円で諸費用が300万円必要な場合には、3,000万円を融資利用、自己資金を300万円出す形となります。

 

これを物件価格と諸費用全てを融資利用で購入する場合は「オーバーローン」といい、3,300万円を借入れすることとなります。この時には、自己資金を一切出す必要はありません。逆にフルローンがでなければ、頭金として現金が必要になります。

 

不動産は融資がつけば、誰でもどんな物件でも購入することが可能です。ただし、購入した物件で安定した収益が上がるかどうかは別問題であり、中古物件などは突発的な修繕が必要となったり、空室が多く返済額が家賃収入で足りなくなることもあります。

 

こうした様々なケースに柔軟に対応できるように、不動産を購入するときには十分な頭金を準備するか、手元資金をある程度確保しておくことが、不動産投資で失敗しないための秘訣と言えるでしょう。

 

不動産融資を受けやすくするために必要なこととは
銀行融資を受けやすくするためには、事前にどの程度の融資を受けられるかを確認しておくことが重要です。買付け申込みをする前に、購入予定の物件に条件が近い物件で事前審査を出しておくと、どの程度の融資が出るのかがわかります。

 

銀行評価が出やすい物件としては、担保価値のある中古のRCマンションが代表的です。希望に近い物件が売りに出たときに買付け申込みをしてみることで、具体的な物件を銀行審査に出すことができます。これを何度かやってみると、銀行の自分に対する融資の基準がわかってくるでしょう。

 

また、最初に現金一括か、かなりの頭金を入れて物件を購入している場合は、次に購入する不動産に「共同担保」として銀行に出すことができますので、2つ目以降の不動産に融資がつきやすくなります。ですので、最初に不動産を購入する際には、余裕のある資金計画を立てることを心がけましょう。

 

まとめ
不動産を購入するには、仲介手数料のほかに、登録免許税、不動産取得税、印紙税、固都税等の費用がかかる。おおむね物件価格の7%程度
・オーバーローンは売買価格+諸費用まで融資を受けること、フルローンは、売買価格までの融資を受けること
・フルローンが得られなければ、さらに頭金が必要になる

無料メルマガ登録:大家の味方

メルマガ登録ページへ

資金計画:取得時に必要な資金 関連ページ

不動産屋・不動産コンサルタントにお願いする前に
物件を紹介するコンサルタントに依存しすぎない
不動産投資とは
不動産投資・賃貸経営のメリット
不動産投資・賃貸経営のデメリット
不動産投資は資本を使って利益を上げるトレーニング
賃貸経営の仕組み
不動産投資・賃貸経営の目的
不動産投資・賃貸経営のリスク
不動産投資のリスクをどのようにコントロールするか
不動産投資のレバレッジとは
購入できる収益不動産の額は金融資産次第
賃貸経営を拡大する時は金融資産を減らさない(CCRが重要)
不動産投資のキャッシュフローとは
投資分析:キャッシュフロー
返済比率で借入の安全度を理解する
不動産投資で資金がないと高速リタイアは難しい
不動産投資の種類を理解する
建物の構造を理解する
表面利回り・実質利回りの違いを理解せよ!
物件探しには実質利回りを簡便に使え
減価償却とは
銀行の融資期間は建物の耐用年数次第
用語:不動産投資で良く出てくるROIとは
用語:DSCR(借入償還余裕率)
用語:投資指標のIRRとは
収益物件の探し方:物件情報はどこから収集するか
収益物件の探し方:購入する基準を決める
収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
収益不動産の探し方:不動産会社は両手取引が大好き
収益不動産の探し方:競売は中〜上級者向き
収益不動産の探し方:任意売却はお宝物件
物件資料の読み方:物件概要について
物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
物件資料の読み方:レントロールを机上で評価する
物件資料の読み方:登記簿謄本の本質を理解する
物件資料の読み方:登記簿謄本を理解する
物件資料の確認:不動産会社へのヒアリング
物件の評価:積算評価・収益評価
現地調査:建物調査・周辺調査
買付申込書
価格交渉
買付から契約・決済までの流れ
契約:売買契約書のポイント
融資が否決されたの際の手続き
資金計画:ランニング費用
資金計画:税前キャッシュフロー
資金計画:利益ベース
資金計画:アパートローンの返済方式について
資金計画:金利・融資期間による返済額
融資:信用情報の確認
融資:銀行にもっていく資料は事前に準備しておく
融資:銀行の担当者から聞かれること
融資:金融機関の種類
信用保証協会とは
不動産投資で信用保証協会をどう使うか
制度融資を使うと効果的
信用保証協会:責任共有制度
信用保証協会:保証料
信用保証協会:審査のポイント