収益物件の探し方:資金力×購入意思×スピード
不動産投資で物件を情報をいくら入手しても、なかなか買えないことがあります。それは、不動産会社の中で優先順位が明確に決められているからです。ビジネスでは当たり前ですが、「買える人」が優先されます。
買える人というのは、どういうことかというと、下記図式の合計値が高い方です。
- 資金がある人×購入意思が固い人×判断スピード
まずは、順を追って見ていきます。
資金がある人
これは、わかりやすいですね。一番強いのは、現金で不動産を買う人です。1億でも2億でも現金を保有しており、そのお金で物件を買いに来た人です。融資を使う人は、どうしても銀行に融資が否決される可能性があるため、一番強いのは、いつの時代でも現金です。
とはいっても、現金で不動産を買える人はとても少ないです。1億を超えてきて現金で購入できる人など、不動産会社でも数は少ないです。それも1度か2度購入すると、さすがに現金不足になるので、購入できる資金があるうちは、優遇されます。
そして、収益不動産の場合は、金額が大きいのと融資を受けた方が節税効果もあるので、融資を使うことはまったく問題ありません。ここで重要になるのは、融資を引っ張る力です。これに有効な策はほとんどありません。いろいろな大家が書いているとおり、身近な銀行には片っ端からあたる覚悟が必要となります。
都銀、地銀、信販等いろいろありますので、まずは自分がどこまで融資を受けられそうか、事前に確認しておくことです。この方法は銀行にばれると怒られてしまいますが、ダミーな収益不動産情報をもって銀行に審査依頼してみてください。ダミーな収益物件といっても、現在流通している物件にしてください。
そうすれば、本当に検討していると先方は思いますので、その情報をもとに自分がどこまで融資が受けられそうかを自分なりに目安をもっていくことです。
なぜなら、そのような目安を持っていないで、不動産会社の担当にはったりだけで「私は2億の融資を受けれます」というような話をしても、ほぼ見破られてしまいます。ある程度の融資目算がある中で、はったりを使うことをお勧めします。
購入意思が固い人
不動産投資では、購入意思が本当にあるかは、重要です。ひやかしのお客さんに情報を流して、物件への案内までして、成約しなければ、投資対効果ゼロであり、ボランティアになってしまうからです。不動産会社の担当も効率よく仲介したいのは、当たり前のことです。
そして、いくら現金があっても、買付を出した後に、やっぱり購入するのを止めたいといわれることがあるからです。買主にも様々な事情があるのですが、契約するまでに、奥様の反対にあって契約まで行けなかったケースは結構あると聞いています。
買主側の担当者は、売主側と交渉するにあたり、良い買主がいるので譲ってくれという交渉しているわけで、買主がやっぱり購入を止めるということになると、売主の心証を一気に害してしまいます。そのため、売主側の業者から、買主側の業者自体と取引をしないという出入り禁止のようなことも有り得ます。
つまり、高額の収益物件を扱う不動産会社として、買主の購入意思さえ見抜けなかったということで、実力を低くみられることになり、取引をまとめる力がないと判断されるからです。不動産会社の多くは、売主から依頼される物件ばからいではなく、買主側の仲介として手数料を稼がないとなかなか生き残っていけません。業者間の信用・信頼を失うと商売にならないからです。
そのため、購入意思がぶれる方、買付を出したけど取り下げる、等を行うと、その会社からは出入り禁止もしくは情報が一切もらえない状況になるでしょう。下記2つのルールは確実に守っておいた方がいいでしょう。
- 買付を出した場合については、本当に買う意思があること
- 買付を出す際に、条件を明確に記載し、その条件の範囲内で買付を取り消すこと
判断スピード
判断スピードは、良い物件を獲得する上では、かなり重要になります。良い物件は、朝一で出した物件が昼までには、なくなっている位のスピード感です。物件が出てから1日程度で判断して買付を出さないといけません。
いくら現金があっても、購入意思があっても、判断に1週間もかけていたら、良い物件は売れてしまっているでしょう。私達が取得しないといけないのは、自分にとって良い物件ですが、他の人にとっても欲しい物件である必要があります。
理由は、他の人が欲しい物件であれば、売却時に困らないからです。いくら、ぼろ物件が好きで投資をしていても、売却するときに人気がないのであれば、安く買いたたかれる可能性があります。
したがって、他の人が欲しい物件を、他の人より先に買わないといけないということで基本的には競争が激化します。その時に最終的に勝負を決めるのは、判断スピードになります。判断が早い人は、購入の意思も固い人が多く、融資付けも準備万端であることが多いのは、不動産会社もわかっていますので、早く買付が出せるだけでもかなりのアドバンテージとなります。
判断スピードを上げるためには、自分の評価軸を持ち、たくさんの物件を見ていくと良いでしょう。
まとめ
・良い不動産を購入するには、資金力(融資力)×購入意思×判断スピードの3点をすべて強化すること
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