物件資料の読み方:物件概要を高速で取捨選択する
物件概要書を、1回1回、丁寧に見ていくと時間がまったく足りなくなります。どうすればよいかというと、単純です。自分の基準に満たすかどうかを瞬時に見極めればよいのです。
私がどのように見極めているか手順を教えしましょう。最優先チェック項目だけで、7割程度は、検討対象外にできます。
【最優先チェック】
チェック@:構造+築年数チェック
・鉄筋コンクリート造⇒築25年未満であればOK
・重量鉄骨造⇒築10年未満であればOK
・軽量鉄骨造・木造⇒新築のみ
チェックA:表面利回り
・9%以上あればOK
チェックB:違法チェック
・備考欄に建ぺい率、容積率で違反している文言がないこと
・目算チェック:建ぺい率の違反は見極められないので、容積率のチェックのみ
土地面積×容積率>建物の延べ床面積
最優先チェックを行うことで、8割近くをふるいにかけます。
【詳細チェック】
チェックC:積算価格のチェック
積算価格は、物件価格の8割以上あればOK
積算価格>物件価格×80%
多くの人は、物件価格よりも積算価格が上回るレベルを対象にしますが、そうなりますと地方ばかりになります。首都圏、関西圏、中部圏の中心部となりますと、積算価格>物件価格の物件はほとんどありません。地方にいけば、積算価格が上回るものはありますが、田舎で賃貸付けに苦労するものが多くなります。
チェックD:返済比率のチェック
都心部の返済比率:45%以内
地方の返済比率:40%以内
残存耐用年数を融資期間年数とします。金利は、その物件のエリアで借りることのできる金融機関を想定します。おおむね金利2%前後で計算し、返済比率が上記に収まるか確認しています。金利については、各自の調達金利に差があるので、実力に応じて金利の上限をしてください。
チェックE:賃貸ヒアリング
現地の賃貸専門会社(エイブル・アパマン・ハウスコム・ミニミニ等)へ電話します。対象となる物件の間取りの決めれる家賃を確認し、レントロールとあっているか確認します。
チェックE:物件確認
賃貸ヒアリングでOKであれば、最終的に建物を確認します。建物の状態、入居者が実際に住んでいるか、荒れていないか、値下げ交渉材料を探しながら、最終的に判断します。
時間があれば、経費計算(エレベーター、電気温水器、機械式駐車場)を細かく行ってから、買付を出します。
土地・建物付きの物件については、このような流れで物件概要書を見ています。最優先チェックである程度検討する物件を絞り、あとの1割から2割について詳細チェックするようにすると物件を見るスピードは速くなります。
投資手法が異なれば、自分のチェック基準を上記のように作り、判断スピードを上げていく必要があります。私は、もう物件概要書は数千件は見ているでしょう。初心者は、一から始めるとほかの大家に勝てない気持ちになりますが、誰でも最初は初心者だったのです。
初心者は、判断基準をもち、圧倒的な行動力で、スピードを身に着けていく必要があるのです。
まとめ
・自分の判断基準をもち、数をこなすこと
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