区分投資:狙う物件(管理費・修繕積立金)
区分投資では、修繕積立金と管理費の水準を確認しましょう
修繕積立金とは
屋上防水、外壁塗装、給排水管の取り替えなどのおおがかりな修繕のために、準備をしておく積立金のことです。各部屋のオーナーから毎月定額で徴収されていくものです。
管理会社が徴収し、管理組合との定期的な打ち合わせの中で、修繕を実施していきます。オーナーとしては、修繕業務がすべて管理会社主導で実施されるので非常に楽な運営ができます。
修繕積立金の適切な水準
修繕積立金がまったくないような物件は投資外の候補になります。大規模修繕の際に修繕積立金がな場合、中古の投資用区分マンションでは、一時金として50万等かかる場合があります。ワンルームの家賃収入は手残りが多い投資ではないため、一時金があると、2年程度のキャッシュフローは無くなってしまいます。
中古の区分マンションを買う場合は、過去に積立られた積立金を確実に確認しましょう。逆にいうとこの修繕積立金が購入後のオーナーにそのまま引き継がれることにこそメリットがあるからです。
下記は国土交通省のガイドラインを参考にしていますが、多くの投資用の区分マンションは15階未満のため、下記数値を参考にします。
(国交省ガイドライン参考)
階数 | 延床面積 | 平均値 | 事例の2/3が含まれる幅 |
15階未満 | 5千u未満 | 218円/u | 165円〜250円/u |
【適切な修繕積立金の計算方法】
@大規模修繕が行われていないケースの修繕積立金の額
ワンルーム(20u程度):200円/u*20u*12か月=48000円
1部屋あたり約5万*部屋戸数*築年数*70%
例)部屋戸数20戸、築20年経過であれば、5万*20戸*20年*70%=1400万
※70%水準:投資用物件で分譲用と同じ積立を期待するのは難しいから7割程度としている。
A大規模修繕などが行われているケースの修繕積立金の額
上記の例で、築15年時に大規模修繕が行われているのであれば5年分の積立金があるかどうかです
ワンルーム(20u程度):200円/u*20u*12か月=48000円
1部屋あたり約5万*部屋戸数*築年数*70%
例)部屋戸数20戸、築15年時に大規模修繕、築20年経過であれば、5万*20戸*(20年-15年)*70%=350万
※大規模修繕以降の年からで計算すればいい。
建物管理費と修繕積立金の月額費用の適正水準
月額の建物管理費と修繕積立金は、概ね20%〜30%までに収まると良いでしょう。
一棟投資では、管理費(建物+賃貸)と修繕費等の経費は20%程度で基本見積もりますが、区分投資では、若干割高になるので30%前後までは許容範囲としていいでしょう。家賃の半分を管理費・修繕費がかかるような物件だとそもそものキャッシュフローが出ないため、投資として成り立たちません。
・家賃が5万円 20uの部屋の場合
月額の積立金は、200円/u*u数のため20uだと4000円が積立金になる。
月額の家賃収入(50000円)*30%−月額の積立金(4000円)=11000円が建物管理費の上限になる。
これ以上高い建物管理費の物件だと、建物管理費が高い物件のため、キャッシュフローが出るのか確認した方がいいでしょう。
まとめ
区分投資では、月額の管理費と修繕積立金の適正水準だけでなく、既に積立られている修繕積立金の額を確認することが重要です。購入後に予測外のことは、大規模修繕の一時金が発生するときになるからです。
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