区分投資:一棟投資との違いA
区分投資と一棟投資の違いを理解しましょう。最初に、区分投資のデメリットトをみていきます。
家賃収入に対する管理費・修繕積立金が高い
一棟投資と違い、区分マンションでは、大手の管理会社が運営していることが大半です。一棟投資では、オーナー自身の直接の交渉力で管理費を削減することも可能ですが、区分マンションでは難しくなります。
そのため、家賃収入に対する管理費と修繕積立金を合わせた比率が一棟投資より高めになることが多くなります。中には、管理費と修繕積立金の比率が50%を超えるような区分マンションありますが、手残りのキャッシュフローが著しく低くなります。
裁量がない
一棟物件は土地、建物をすべて同じ人が所有することができるため裁量がすべて所有者にあるのに対し、区分は専有部分にしか裁量部分がないため、価値アップの裁量が限定されています。
そのため、専有部分でリフォームは可能ではあるもの、取得してから建物全体に大幅な改善を行い家賃アップを図る事は難しくなります。購入する時点で安く買うことでほとんどが決定される投資といえます。
担保価値、規模、スピード
銀行の視点から見て、区分マンションへの融資は非常に厳しいものがあります。
・銀行の評価視点(※銀行によって異なる)
【土地評価=土地面積*路線価】
【建物評価=再調達価格*建物面積*(法定耐用年数-経過年数)/法定耐用年数】
一棟投資では、土地と建物の評価を上記のように行い担保評価を計算していきます。区分投資と違い、所有者の決断で土地と建物を処分することができるため、担保としての価値があります。
区分投資は、上記の担保価値と同等には評価されません。土地を区分マンションのオーナー1人では処分ができません。建物のバリューアップも1人の区分オーナーではできません。そのため、土地と建物の評価を一棟投資と同じ目線ではできなくなります。土地と建物の持分については評価をしていくのですが、一棟投資と同じ面積であったとしても、一棟投資より低い水準の価値となります。
区分投資は、銀行からの担保価値がないので、借入をする場合には、多くの場合は個人の与信枠を利用することになります。何を意味するかというと、区分投資から上がってくる収益を期待した融資ではなく、個人の年収を期待した融資となります。
そのため、区分投資で借入をして保有するばあ、不動産投資の世界では、個人の与信枠を棄損するという言い方になります。サラリーマンであれば、サラリーマンの給与収入をベースに融資をつけたことになります。給与収入の余力分から返済できると見なされる返済原資までが限界となります。年収が1000万程度あっても、区分マンションを2戸から3戸程度購入すると与信枠の限界に達してしまいます。従ってそれ以上規模拡大は返済が相当進まないと難しいでしょう。
つまり、1棟投資と区分投資の大きな違いは、不動産投資の最大のメリットであるレバレッジをかけての不動産投資拡大ができるかできないかの差です。区分投資は自分の与信枠を使い切ったら融資を受けることができません。区分でローンを使う場合、自分はどの程度まで、規模拡大するのかを予め見通し、与信の限界枠が投資規模の上限でも良いかの判断をしてから進めるのがいいでしょう。
利用価値しかない
一棟物件は土地建物全てオーナーに権利があり、裁量が自由です。一方、区分は実質土地が無く、建物も共有です。区分では当たり前ですが、土地を処分できないため、基本的には建物の価値しかないことになります。つまり建物の価値とは、建物を利用するときにどれだけ価値があるかにつきることになります。
利用価値とは、人それぞれありますが、駅から近い、人気のあるエリアであるなどのような利用する立場の人からの価値で図られることになります。
銀行は、担保主義のため、なかなか利用価値自体の価値を判断できません。一棟投資は土地と建物が自由に処分可能なため、担保に取る価値を認めてくれますが、区分マンションは、担保主義から離れてしまうので銀行からは価値が認めにくい投資法といえます。
区分マンションの真の価値は、都心空間の利用価値につきます。つまり、多くの人が不動産を持ちたい・使いたい、という、抜群の立地に、小額で不動産を手に入れることができるところにあります。
まとめ
区分投資は、担保価値が低く経費率も高いことから借入をして拡大するのは適していない投資です。現金投資でゆっくりと資産拡大を行うとリスクも低く、着実なキャッシュが積みあがります。1棟投資のような拡大スピードはありませんが、リスクなく、安心して進めるの適した投資です。
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