不動産の土地の評価の方法について

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不動産評価:土地・貸地の評価

地主、不動産投資家にとって、不動産の土地の相続時の評価は、とても重要です。特に、土地に種類がたくさあることと、その上にある権利によって評価が異なるので、とても難しいものになっています。

 

 

土地の地目と権利
土地ですが、土地にはいろいろな種類があり、その地目別に評価額を決定されます。地目別の土地の種類は以下の通りです。

 

・宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地

 

土地の価額は、相続や贈与などによって取得した時の現況から判定された地目ごとに評価していきます。そして、登記簿上の地目と現況の地目が一致しないことがありますが、地目の判定は、現況が優先されます。

 

また、土地の地積(面積)は、相続や贈与によって取得した時点での実際の面積によって評価します。地目と同じく登記簿上の地積と実際の地積が異なることがありますが、相続税等の課税上は、登記簿の地積によらず実際の地積によることとなります。

 

また、土地には、土地の上に存する権利というものがあり、土地の区分ごとに評価されます。土地を自分で利用しているだけでなく、他の人に貸している場合などがあります。これら他人が利用するための権利分を土地の評価から引くことができます。

 

・借地権、定期借地権、地上権、区分地上権、地役権、永小作権、耕作権、温泉権、賃借権、占有権

 

 

土地の評価
土地には、路線価・倍率方式・宅地比準方式という3種類の評価方法があります。これは、不動産投資をする上で土地を評価するときに使うものと一緒です。路線価がある土地は、路線価を、路線価ないエリアは倍率方式などで評価するものです。

 

@路線価方式
路線価方式は、路線価が定められている地域の土地の相続税評価方法です。路線価は、道路に面する標準的な宅地の1u当たりの価額のことです。したがって、路線価方式における土地の価額は、路線価に、その土地の形状等に応じた補正率を加えた後に、その土地の面積を乗じて計算します。

 

 対象地の接する路線価格(円/u) × 地積(u)

 

ここからが難しいのですが、奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率など、土地の形状を加味して評価をしていきます。角地のように道路が二方向に接道していたりすると、価額は上がったりします。1つの道路にしか接していない場合は、ほとんどは、この計算式より高くなることはありません。補正されて低くなることの方が多いでしょう。

 

また、土地を貸している場合や、土地の上に家が建っている場合などは、その土地を自己利用できないわけで評価が下がる方向となります。相続対策で使われる手法です。

 

ただ、土地の評価は、とても難しく、専門の税理士等に相談されることをお勧めします。相続に強くない税理士は、単に路線価×地積だけで計算し、高い相続税を払っているケースが多々あります。国税は高い納税に困りませんので誰も指摘してくれません。
 
A倍率方式
倍率方式とは、路線価が定められていない地域の土地の相続税評価方法です。倍率方式における土地の価額は、その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します。郊外地・山間地の土地は倍率方式により評価し、市街地の土地は宅地比準方式により評価します。

 

宅地比準方式とは、その土地を宅地とした場合の金額から、その土地を宅地に転用する場合に通常認められる造成費を差し引いた金額を算出する方法です。

 

 

土地を借りている場合の評価
建物の所有者が土地を借りているときの土地に及ぶ権利を借地権といいます。また、定期借地権とは契約期限が来た際に契約の更新がなく、建物を取り壊して更地にして返還する必要がある借地権のことを言います。借地の評価額は以下の算式です。

 

 土地の評価額×借地権割合

 

忘れてしまいがちですが、人から土地を借りている場合、その価値は借地権として評価され、その借地権にも相続税がかかります。土地は原則として、路線価によって評価され、その土地の評価額に借地権割合を乗じた金額が借地権の評価額となります。そして、借地権割合は、土地の路線価が記載されている地図に表示されています。

 

土地を貸している場合の評価
もうお分かりですが、人に土地を貸している場合も相続税がかかります。貸地の評価額は以下の算式により求められます。

 

 土地の評価額×(1?借地権割合)

 

算定式からもわかるように、貸地の評価方法は借地の評価方法と反対の関係になっています。

 

土地の路線価評価額=10,000万円、借地権割合=60%の場合、
 土地を貸している人 貸地の相続税評価額=10,000万円×(1-60%)=4,000万円
 土地を借りている人 借地権の相続税評価額=10,000万円×60%=6,000万円

 

 

土地と建物を他人に貸している場合の評価
土地と建物を同一人物が所有しており、土地と建物を他人に貸している場合の土地のことをいいます。貸家建付地の評価額は以下の算式により求められます。

 

 土地の評価額-(土地の評価額×借地権割合×借家権割合)

 

借地権割合×借家権割合を掛け算しているので、思ったより評価は下がらないところがみそです。つまり、自分が所有している場合よりも、(土地の評価額×借地権割合×借家権割合)だけ評価額が低くなります。そして、借家権割合は全国のほとんどの地域で30%と決められています。

 

土地の路線価評価額=10,000万円、借地権割合=60%の場合、
 貸家建付地の相続税評価額=10,000万円-(10,000万円×60%×30%)=8,200万円 

 

まとめ
・土地の評価
 ・路線価×地積
 ・路線価がないエリアは、固定資産税評価×倍率
・借地の評価割合=土地の評価額×借地権割合
・貸地の評価額=土地の評価額×(1-借地権割合)
・貸家建付地=土地の評価額-(土地の評価額×借地権割合×借家権割合)

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