現金が余っていれば暦年贈与を活用する

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節税対策(減らして対策):暦年贈与

政府が公に認めている方法を使う王道となる方法です。暦年課税贈与は、一番有名で使いやすい対策のひとつで、お金を持っている方が、資産を減らしながら対策する方法です。

 

暦年課税贈与
相続税対策は生前贈与が基本と言われていますが、これは相続発生時の被相続人の財産を生前にある程度、将来相続人となる者等に移転しておくことで、相続発生時の相続財産額を減らすことで課税対象になる財産そのものを減らして節税効果を得るものです。

 

しかし贈与という行為には「贈与税」という別の税目が用意されており、下手をすると相続税よりも税率が高い贈与税を課税されてしまいます。着目すべきは贈与税がかけられない範囲の暦年贈与の枠の利用です。

 

これは受贈者(贈与を受ける人)が年間110万円までであれば贈与税が課税されないとうもので、この利用が相続税対策の基本になります。1年で110万円までしか認められませんが、将来の被相続人となる者は自分の生前から数年かけて計画的に財産移転を行うことで非常に有効な対策とすることができます。

 

贈与の対象に制限はありませんので、自分の子だけでなく孫にも贈与することで倍々的に移転財産を増やすことができます。例えば子二人と孫四人を贈与対象とすれば6人×110万円で年間660万円まで財産移転ができます。これを10年続ければ計算上6600万円の財産移転が可能です。

 

また孫への贈与は相続の機会を1世代分飛ばすことができるのでより有効です。このように暦年贈与を使った対策は長期間かけて計画的に行うことによりその有効性を一段と高めることができます。

 

気を付けなければいけないポイント
@相続財産と扱われないようにすること
110万円の非課税枠内での小額贈与を継続的に行う場合、受け取る側(受贈者)名義の預金口座に入金したり、定期預金証書作成する場合が多いのですが、これがトラブルのもとになります。

 

多くの親は、子供に知られぜに贈与したいと思う方多いのですが、親が勝手に開設、管理している場合には「名義借り預金」とみなされ、贈与とは認められず、相続財産として扱われることになります。こうなりますと、資産を減らした対策にはならず、その預金はすべて、相続財産として扱われ、相続税の対象となります。

 

子供の判断能力が低いと認定される15歳未満の子にこの非課税枠内の贈与をする場合は、親が管理していていると認定される可能性が高くお勧めできません。子供が管理できる年齢も税務当局の見解しだいですので、なるべく大人の子・孫に実施するようにしましょう。

 

また、贈与税のかからない額、例えば100万円を10年間、毎年・同じ時期に贈与してた場合、最初から1000万円を贈与する予定を、単に期間を分けただけと認定され、その1000万円を毎年定期金として贈与する「定期金の贈与契約」がなされたと判断され、多額の贈与税が課せられる場合もあります。

 

このような不安がある場合は、信託銀行が扱う連年贈与の商品を確認して、対策をとることもひとつの手でしょう。

 

 

A非課税枠の贈与として認定されるためには
認定してもらうために、確実な方法としては、下記のことを実施しておくことです。

 

契約書をきちんと作成する:贈与者と受贈者の間で贈与事実の了解、もしくは契約があった証拠を示す。
証拠を残す:贈与によるお金の動きを示すため、贈与先の通帳、印鑑を証拠として残しておく。契約書とセットで証拠をきちんと残しておくと万全です。

 

管理は受贈者が行う:親が管理していては贈与にならないので、受贈者(子供や孫)が自分の責任で、贈与がある預金通帳、印鑑、証明書などを所有・管理する
連年贈与への対策を行う:贈与の時期を変えたり、契約書を作成し直すことで疑われないようにする。または、信託銀行のサービスを利用することもありでしょう。また私がお勧めしているのは、111万円の贈与を行い、あえて、非課税枠を超えて贈与することで、数千円の納税と確定申告の提出をしておくことです。

 

まとめ
・最もポピュラーで使いやすい資産を減らして行う節税対策
・連年贈与や名義預金に認定されるケースも多く、正しいやり方が重要

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