税率を把握し経費で節税する
賃貸経営は、利益の出やすいビジネスのため、何も考慮していないと税金を多額に払うケースがあります。賃貸経営は、利益の出やすいビジネスのため、何も考慮していないと税金を多額に払うケースがあります。
一度払ってしまった、税金は戻ってはきません。
課税所得と税率を把握し、経費によりどこまで利益を圧縮したいかを検討する必要があります。
必要経費を増やすメリット
簡単にいえば、必要経費を増やすことで課税される税金が安くなるということです。
給与収入でいえば、社会保険料や配偶者控除などを差し引いた所得に対して税金がかかっています。
つまり、課税所得=家賃収入−必要経費 となります。
家賃収入1000万に税金をかけるわけではなく、その収入を得るのに費やしたお金を必要経費として差し引けます。必要経費には、固定資産税などの税金や、原状回復費用にかかったリフォーム費用、などがあり、家賃収入から必要経費を引いた金額が所得=課税所得となります。当たり前ですが、この課税所得が低ければ低いほど、支払う税金は少なくなります。
個人・法人の課税所得と税率の把握
(個人)
課税所得金額 | 所得税率※平成27年以降 | 住民税率 | 合計 |
195万未満 | 5% | 10% | 15% |
195万超330万以下 | 10% | 20% | |
330万超695万以下 | 20% | 30% | |
695万超900万以下 | 23% | 33% | |
900万超1800万以下 | 33% | 43% | |
1800万超4000万以下 | 40% | 50% | |
4000万超 | 45% | 55% |
(中小法人)
課税所得金額 | 実効税率※平成27年以降 |
400万以下 | 21.4% |
800万以下 | 23.2% |
800万超 | 36.1% |
個人、法人を問わず、課税所得が低ければ税率は低くなります。
特に法人の800万を境にした税率の違いは大きなものになります。
法人化の記事で説明しますが、高額所得になると、個人の税率は法人の税率に比べてかなり高くなります。
節税には、必要経費を増やすだけでなく、個人の課税所得が1800万超を超えてきたら、法人設立による節税した方がいいことも数字上で理解できるでしょう。
脱税に気を付ける
節税がしたい!という多くの方は、この課税所得を減らすことに一生懸命になりすぎて、節税から脱税に踏み込んでしまう方がいます。
課税所得を減らすには、「家賃収入を減らすか」、「必要経費を増やすか」になります。
決して、家賃収入をごまかして減らしたりはしないでください。友達と飲みに行った費用や遊び費用を必要経費にすると、辻褄があわず、税務署からお尋ねがきて、加算税・延滞税を高額に払っていけるケースもあります。
当然ながら必要経費を増やしていけば、課税所得は、減るのですが、やみくもに課税所得を減らしていくと課税所得が少ない=利益が少ないという結果になります。利益が少なくても構わない、とにかく節税したい人は必要経費にできるものは最大限増やしていこけばいいでしょう。
まとめ
課税所得毎の個人と法人の税率を理解し、経費積上げ後の課税所得を把握しながら、節税しましょう。
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