ふるさと納税は不動産の売却益にも使える
ふるさと納税は、一定限度額までの納税については自己負担分の2,000円を覗いてその全額が「所得税」や「住民税」から控除されます。これは不動産投資家にとって、非常に大きなメリットです。
というのも、所得税や住民税は家賃収入などの不動産所得やサラリーマン投資家の給与所得だけではなく、不動産売却時に生じる「譲渡所得」などの申告分離課税のみの場合でも控除を受けることができるのです。
譲渡所得に対するふるさと納税限度額について
長期譲渡所得の場合:個人住民税所得割額×26.779%+2,000円
短期譲渡所得の場合:個人住民税所得割額×33.687%+2,000円
このように、譲渡所得の申告分離課税にもふるさと納税による控除が使えるため、税率の高い短期譲渡所得のような場合は、ぜひふるさと納税を活用すると良いでしょう。
ふるさと納税の返礼品は、申告の必要あるの
不動産の譲渡所得の節税対策としてふるさと納税を活用する場合、一つ注意点があります。それは「返礼品」の申告です。
先ほども言いましたように、ふるさと納税をすると、肉や魚、野菜、電化製品などの品物がもらえます。これを「返礼品」というのですが、実はこの返礼品を受け取った場合は、その経済的利益を「一時所得」として申告しなければならないのです。
返礼品をいくらの経済的利益として申告するのかについては、返礼品と一緒に同封されている書類を確認するか、直接自治体に確認すると良いでしょう。目安としては、概ね寄付金の30%~50%程度と言われています。
では、ふるさと納税をしたら負担が増えてしまうということなのでしょうか。
一時所得は50万円まで非課税
一時所得については、他の一時所得と合算した金額から特別控除額50万円が使えますので、この金額以下であれば返礼品を受け取っても余分に課税されることはありません。
仮にふるさと納税額の50%で一時所得を申告したとしても、100万円以上ふるさと納税をしなければ該当しません。計算上は給与収入で3,000万円以上なければ、100万円以上もふるさと納税することはありませんが、不動産投資家の中には高額納税者が多い為注意したほうが良いでしょう。
一時所得の具体的な金額とは
では仮に一時所得が50万円の特別控除額を超えるほどふるさと納税をした場合、どの程度の税金がプラスされるのでしょうか。仮に年収1億円、所得税率45%で計算すると次のようになります。
ふるさと納税:100万円
申告額:50万円
一時所得による増額:なし
節税効果:998,000円
ふるさと納税:120万円
申告額:60万円
一時所得による増額:22,500円
節税効果:1,175,500円
ふるさと納税:200万円
申告額:100万円
一時所得による増額:112,500円
節税効果:1,885,500円
このように、ふるさと納税額が100万円を超えてくると、一定の税金負担が増えることになりますが、見ての通りそれ以上に節税効果の方がはるかに大きいため、高額所得者の場合は、一時所得が発生するものの、限度額いっぱいまでふるさと納税を活用した方がより節税効果が高いといえるでしょう。
ただ、この返戻品による一時所得は価値がわかりにくいもので、わざわざ申告している人はほとんどいないものと思われるのと、税務署も返戻品の価値を積み上げてまで課税しようとしているのかについては、確認できていません。ただし、理論上は、高額な返戻品の場合は、一時所得になる可能性を認識し、税理士と相談しておくことをお勧めします。
まとめ
・不動産を売却した際の譲渡益にもふるさと納税は使える
・ふるさと納税を200万等、高額な場合は、返戻品が一時所得となる場合もある
(課税されたケースをみたことはないが)
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