経費を制する:開業費
初めて収益不動産を購入する前の支出が経費にできるかどうかを知っておきましょう!
開業費について
初めて収益不動産を購入前にも、セミナーで勉強したり、不動産投資に関する本を読んだり、収益不動産の現地へ調査に行ったりといろいろと支出すると思います。これららについてもしっかりと領収書を取っておけば、事業開始時には、これらの費用を開業費として計上できます。あくまでも開業前の費用が開業費となります。
開業費は、 下記3要件を満たしていないといけませんが、難しく考えることなく、不動産経営を始めようとして、実際に収益不動産を購入して事業が開始されるまでにかかった経費を開業費にしたい旨を税理士に伝えて判断を仰ぎましょう。何年も前の旅費が本当に開業費として妥当かどうかは、個別の判断になるからです。
・支出の効果がその支出した後、1年以上続くこと
・資産の取得に要した金額とされるべき費用、もしくは前払費用でないこと
・開業準備のために特別に支出した費用であること
開業後の経費について
開業後に賃貸業を行うのに直接要した経費をその年の経費になり、開業費とはなりません。
開業後に区分所有1室でも既に持っている場合は、不動産賃貸業を開業している状態ですので、他の物件を探すための支出は開業費にはなりません。事業を拡大するために掛かった経費は、その年の必要経費になります。戸建てなど、小規模でも既に不動産賃貸業をしている場合は同じです。
開業費は繰り延べ資産だけど一括経費化も可能
開業費は、繰り延べ資産の扱いです。というと難しいですが、開業費は資産に計上して数年にわたって経費化してねということです。基本は、建物と同じような減価償却方法となります。会社法では、5年定額償却のため、開業費に100万かかったら、毎年20万ずつ経費化するようなイメージです。
ところが、
税法上は、開業費の経費化については、償却方法が任意となっています!
任意償却とはいつでも好きなときに経費化して良く、償却年数が決まっていません。
つまり、下記のようなパターンいずれも問題ありません。
・初年度に全額経費化してもOK
・初年度は不動産経営は赤字になりやすいので、2年目、3年目の2年間で全額経費化してもOK
・均等に5年で償却してもOK
開業費は、しっかりと領収書をもとに計上して、利益のでるときにあわせて経費化していくことが良いでしょう。
まとめ
開業費は経費にならないと領収書を捨ててしまいがちですが、開業費をきちんとつけて、利益のコントロールに使いましょう!
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