不動産投資の経費である租税公課について

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経費を制する:登録免許税、不動産取得税

賃貸経営で大きな経費としては、租税公課があります。不動産購入時の大きな租税公課として、不動産取得税と登録免許税があります。タイミングとしては、登録免許税は売買時に登記する際に必要な税金、不動産取得税は購入後に数か月後に掛かる税金となります。

 

売買につき1回の税金の支払いのため、物件初年度には大きな経費化ができるものの、次年度以降はなくなります。物件購入した際に初年度は赤字になりやすいと言われるのもこの登録免許税と不動産取得税が大きいからです。

 

科目 経費計上できるもの 経費計上できないもの
租税公課

登録免許税
不動産取得税
固定資産税(売買時の固定資産税精算金は減価償却費)
都市計画税
収入印紙代
個人事業税
法人事業税
利子税
自動車税

居住不動産にかかる各種税金(不動産取得税、登録免許税、固定資産税、都市計画税等
(個人の)所得税
(個人の)住民税
法人税
法人住民税
延滞税
加算税

 

 
登録免許税
登録免許税は、全額経費計上できます。

 

登録免許税は登記の際に支払う税金です。通常は登記は司法書士に依頼し、司法書士が代理で登記を行う際に支払します。登記手数料と一緒に司法書士さんに請求されるので、高いけど仕方がない費用としてあまり関心のない税金です。大家さんの中には、司法書士報酬が高いと誤解されている方もいますが、ほとんどは登録免許税分です。

 

・登録免許税の税率
数字を覚える必要はありませんが、結構な額が掛かる事を想定しておく必要があります
 売買の場合の所有権移転登記・・・2.0%
 売買の場合の所有権移転登記(住宅用家屋の場合)・・・0.3%
 所有権保存登記・・・0.4%
 所有権保存登記(住宅用家屋の場合)・・・0.15%
 抵当権設定登記・・・抵当権の設定金額に対し0.4%
 抵当権設定登記(住宅用家屋の場合)・・・抵当権の設定金額に対し0.1%  

 

 (例)固定資産税評価額土地2,000万円、建物2,000万円の居住用賃貸不動産を4000万で購入、土地、建物にそれぞれ2,000万円の抵当権を設定した

 

 ・所有権移転登記分
  土地:2,000万円×2%=40万円
  建物:2,000万円×0.3%=6万円
 ・所有権保存登記分
  土地:2,000万円×0.4%=8万円
  建物:2,000万円×0.15%=3万円
 ・抵当権設定登記分
  土地:2,000万円×0.4%=8万円
  建物:2,000万円×0.1%=2万円
 ・総合計:67万円  

 

例ですが、登録免許税67万だけで売買価格4000万に対する割合として1.7%近くになります。
 
 
不動産取得税
不動産取得税は、全額経費計上できます。
不動産取得税は原則として市区町村が課税するものです。そのため、自分から申告しなければならないものではありません。市区町村は登記から不動産の移転があったことを把握します。
通常は登記から2〜3カ月で不動産取得税が課税されますが、半年経っても課税されない場合もあります。

 

不動産取得税の金額は、不動産売買時にかなり大きな金額の経費となるため、初年度は赤字になる原因となります。また、支払ができるように売買時と売買後の不動産取得税の現金を準備しておく必要があります。

 

・不動産取得税の計算方法
基本の不動産取得税は、土地・建物の固定資産税評価額に対して4%の税率で課税されます。
年によって変更はありますが、建物は住宅の場合は3%、土地のうち宅地は1/2に減免される特例などは、市町村の方で計算されて送付されてきます。
不動産取得税は「固定資産税の評価額」に課税されるため、固定資産税の評価額は確認しておきましょう。

 

(例)固定資産税評価額:土地(宅地)2,000万円、建2,000万円の居住用賃貸不動産を4,000万で購入した
 土地:(2,000万円×1/2)×3%=30万円
 建物:2,000万円×3%=60万円
 合計:30万円+60万円=90万円

 

例ですが、不動産取得税90万だけで、売買価格4000万に対する割合として2.3%になります。

 

・固定資産税の評価額
売買の際には、売主側が支払った固定資産税があるので、資料を取り寄せましょう。
建物に関しては、建物の建築費の高い鉄筋コンクリートは高くなります。また耐用年数が長いものほど固定資産税額の評価は落ちにくい特徴があるので鉄筋コンクリートは高く維持され、木造は固定資産税が安くるのが早くなります。

 

また、固定資産税額の評価と売買価格には、関係がないため、売買価格が高いから固定資産税が高いわけではありません。

 

・新築は優遇されている
新築の不動産投資は、融資面の有利さや建物が新しいのでメンテナンスコストが安いだけでなく、税金が安くなる特典もあります。

  • 建物:新築の場合には1戸建ての場合50u〜240u、集合住宅の場合1戸当たり40u〜240uの範囲であれば、1戸につき1,200万円まで固定資産税評価額から差し引くことができます。ワンルームマンションは、40uに足りないので軽減措置を受けることができません。

 

  • 土地:賃貸住宅を建築するための土地を取得した場合には、土地の不動産取得税の減免・猶予を受けることができます。 集合住宅なら1戸当たり40u〜240uであること、土地の取得から3年以内に建物を取得することが条件となっています。

 

まとめ
登録免許税と不動産取得税は、不動産売買価格に対してあわせて3〜4%程度は掛かってくる税金となり大きな経費となります。初年度にこれらの経費を計上すると、不動産所得はおおむね赤字になります。そのため、物件購入初年度は何もしなくても節税できます。
2年目以降は、物件を買い続けて登録免許税と不動産取得税を経費にして利益を圧縮するか、物件を購入しない場合は、その他で節税を考えていく必要があります。

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