倒産防止共済は全額損金
法人では、経営のセーフティネットとしての倒産防止共済による積立で節税できます。法人ではと書いたのは、個人の賃貸事業では倒産する可能性が低いという少々よくわからない理由で共済に加入できません。
倒産防止共済とは
連鎖倒産防止用に積立しましょうという商品が、「倒産防止共済」になります。もし取引先業者が倒産した場合には、掛け金総額の10倍まで貸付してもらうことができます。まず賃貸経営では、取引先業者の倒産で売掛金が払われないといった事象は起こりにくいですが、このような貸付制度もあります。
中小企業基盤整備機構という国の機関に 毎月、一定の額を積み立てて、「倒産防止共済」は任意に解約して解約金を受け取ることができます。掛け金は、月々5千円~20万まで、累計800万までとなっています。
「倒産防止共済」は損金扱いになる節税商品
倒産防止共済は、節税商品としても最強です。
【法人】
・払った掛け金は全額損金扱い
・40か月以上掛けた場合には全額が戻ってくる商品(上限:月20万、累計掛け金800万まで)
【個人】
サラリーマンをされている方は入れません。そして専業大家も賃貸事業しかないので加入することはできません。サラリーマンではなく、コンサルティングなどの事業をされている方であれば、入れる可能性があります。
払った掛け金は社会保険料と同じで、 所得控除として、1年分の掛金全額を所得から控除できます。 掛け金の上限は、法人と同じく、掛け金の上限は、累計800万までとなっています。
40か月以上の加入で、払い戻しは100%となるので、40カ月以上経過するといつ解約しても全額が払い戻しされます。
節税効果
中小企業でも所得が800万超となると実効税率は市町村で違うものの36%程度になります。そして所得が800万以下になれば、実効税率は23%程度になります。
例えば、中小企業で所得が1000万ある時に、倒産防止共済の有無を比べてみましょう。
【倒産防止共済(掛け金:月20万)の有無による納税額の違い】
・無し: 納税額:所得1000万*38%=380万
・有り: 納税額:(所得1000万-掛け金20万*12か月)*23%=174.8万
このインパクトがわかりますでしょうか。380万-174.8万=205.2万の節税ができます。中小企業法人の所得1000万の実行税率は36%程度あり、そのまま支払うと大変な納税額になります。このような時に、倒産防止共済の枠があれば、年間240万を支払ってでも納税額を下げることができます。
そして倒産防止共済の積立金は、40か月以上払えば、払い戻しは100%になります。戻ってきた場合には雑収入となるので、その時には、修繕などの計画と合わせるのも一つの手でしょう。
日本では、法人税の引き下げがテーマになっており、今後徐々に下がっていくことが考えられますので、税の繰り延べとしても使われると良いでしょう。
まとめ
法人で利益が出ている場合に節税としてまず考えられる商品としては、倒産防止共済になります。全額損金になるばかりか、40カ月以上で掛け金が100%戻ってくるという非常に有利な設計になっています。法人保険を検討する前には、倒産防止共済を先に検討しましょう。