賃貸管理会社の理解:建物管理B
建物管理で、消防点検が必要となります。火災が起きた場合には、オーナーの責任が問われないよう法定点検を行いましょう。
消防点検
消防設備点検は、法令で義務付けられている点検です。消防設備とは、消火器や火災報知機、消火栓、誘導灯、避難はしご等の事を指します。消防設備は滅多に使用するものではない為、定期的に点検をし、維持管理する事が消防法で義務付けられています。
・報告義務の頻度:消防署(消防長)に「特定防火対象物=ホテル、病院、コンビニが設置されている建物」は1年に1回、「非特定防火対象物=共同住宅、事務所等」は3年に1回、報告が義務付けられています。
種類 | 内容 | 報告義務 |
---|---|---|
特定防火対象物 | 物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする建物 | 1年に1回 |
非特定防火対象物 |
工場、事務所、倉庫、共同住宅、学校、駐車場など |
3年に1回 |
賃貸経営で火事が発生した場合に消防点検の不備が原因で火事となったケースに関しては、オーナーが損害賠償責任を負うことと、重大な過失と認定されると火災保険が適用されないケースもでてくるので、必ず消防点検は必要となります。
機器点検と総合点検
点検項目には、機器点検と総合点検に分かれます。
種類 | 内容 |
---|---|
機器点検 | 消防用設備等の種類に応じ、消防用設備等の適正な配置、損傷、機能について、告示に定める基準に従い、外観又は簡易な操作により確認することをいいます |
総合点検 | 消防用設備等の全部又は一部を告示に定める基準に従い、作動させ、総合的な機能を確認することをいいます |
点検項目(共同住宅の概要。店舗、大規模施設は追加項目有り)
- 消火器:消火器が正常に作動するか、古い場合は中身を交換する。使われているのは、ABC粉末消火器が主流。ABCのAは普通火災、Bは油火災、Cは電気火災を差し、つまり万能タイプの消火器です。
- 自動火災通知設備:天井に見かける感知器。感知器が熱又は煙を感知すると、自動で音で火災を知らせる設備です。住宅用火災警報器は単体で音が鳴動し、自分自身が火災を知り逃げるために設置促進されているのに対し、自動火災報知設備は建物の各階ベルで音が鳴動するため、建物の全ての方達に知らせるのが目的となります
- 避難器具:避難はしごや救助袋、緩降機、滑り台など様々な種類があります。避難ハッチは平成4年よりステンレス製に限定されていて、鉄製の枠は失効扱いとなります。鉄製の枠は雨水の浸入により錆びやすく腐食が進行すると水漏れの原因となるばかりか、建物にも影響を及ぼしますのでステンレス製への改修が必要となります。
- 誘導灯:火災による煙の発生で逃げ惑うことがないよう、誘導灯や標識が避難を誘導するものです。適切な位置に設置されているか、正しく点灯するかなどを点検します。よく見かける緑に人が逃げる形の白抜きされた照明です。また、大きな建物では中間地点に白のパネルに緑色の人間の形を書いた通路誘導灯もあります。無窓階など停電の際に真っ暗となってしまう所には必須の設備となります。
- 非常警報設備:自動火災報知設備同様に非常ベル、自動サイレン、非常放送設備等を点検し正常動作の確認を行います
- 連結送水管:屋内消火栓・屋外消火栓・連結送水管設備等のホース・配管について、耐圧点検。実際にはほとんど使用することがない屋内消火栓用・屋外消火栓・連結送水管用のホースは年月が経つと知らないうちに劣化しています。10年経過すると3年ごとに取り替えとなります。
【費用について】
小さいアパートであれば、避難器具や非常警報もないところから、すべての機械、器具がついているところまであるので、下記は目安程度で見ておきましょう
まとめ
消防点検はプロに任せましょう。深く理解しなくても良いと思いますが、概算で費用を把握しましょう。逆に賃貸経営オーナーが忘れていると消防点検が実施されず、消防長からお叱りを受ける可能性があります。
まずは、消防点検が必要であることを認識しましょう。
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