賃貸管理会社選びの失敗はオーナーの努力不足
オーナーが自主管理を実践しているケースを除き、多くの方が賃貸管理会社を利用しています。その賃貸管理会社の働き方一つで賃貸住宅経営の成功と失敗が決まってきます。それほど賃貸管理会社が良いかどうかが重要になってくるので、管理会社を能動的に選択していないがために、悲劇が起こっているのが現状です。
管理会社を能動的に選択していない悲劇
管理業務一切を賃貸管理会社に任せていても、苦労しているオーナーは大勢います。その多くは、安易に賃貸管理会社を選んだために、選ぶ相手を間違っていた、つまり選んだ相手がよくなかったということです。
多くのオーナーと話をしていますが、管理会社が持っている機能や特徴、強み弱み、そしてコストなどを数社把握して選ぶという能動的な姿がほとんど見られません。確かに、中古物件で、旧管理会社をそのまま引き継ぐことはありますが、その管理会社のままでいいのか、より適切な管理会社はないのか、などを検討していないからです。
新築であれば、建築をした会社の管理部門の丸投げであったり、勧められるままに管理会社を選定しているケースが多くあります。5社から10社程度回って管理会社を選ぶことはほとんどしていません。しかし管理会社は、賃貸経営を行うオーナーにとって最重要のパートナーであり、きちんと決めておかないと苦労するのは、オーナーとなります。
どのような悲劇が起こるかというと、代表的には下記のようなことです。
- 入居募集能力がなく空室増:いわゆる空室の多いガラガラの物件になってしまい、収支が悪化し、ひどい場合は自己破産に追い込まれることもあります。それほど重要な入居募集ですが、以前から任せているからという理由で見直しをせずにしていると、破たんのリスクを抱えることになります
- 空室に対する提案力がない:管理会社の中には、建物管理や入居者のクレーム対応はするが、空室に対する提案力がないために、家賃を値下げするだけしか提案してこない場合がある。家賃を安くして決めるのは誰でもできることであり、これに従っていると、収支が悪化して、返済が困難になるケースもあります。
- 管理(入居者対応、建物管理)がされず退去者が続出:賃貸仲介と賃貸管理が一緒の会社では、賃貸仲介が忙しすぎて、賃貸管理が疎かになっているケースがよくあります。入居者からのクレームを放置すると、退去原因の一つなります。急いで対応してほしいエアコンの修理や水漏れなどに迅速に対応してもらえないと、そこに住む理由がなくなってしまいます。入居者からクレームがあっても無視、重要事項の説明が間違えていても謝らない、建物の清掃をしないのでごみが散乱等が発生し、入居付けしても常に退去が発生する悪循環が発生し、収支が悪化します。
- 修繕費用が高くて支払いに困る:オーナーの多くは修繕費用の単価や必要な項目について把握しておらず、管理会社のいいなりに修繕していているケースが多いです。原状回復に家賃の10か月以上かけているオーナーもいて、満室なのに年間キャッシュフローが赤字になるということが起きます。
耳の痛い話ではないでしょうか。私が相談を受けて対応するケースで最も多いのが管理会社への不満です。それだけ、現在の賃貸管理会社に満足していない人が多いのが実態です。つまり、地域によっては、現在の賃貸管理会社の仕組みの限界が来ていることを指しています。
そのため、私は、管理会社のスキルについては完全に任せているということはありません。私は基準をいくつか設けていますが、その基準が満たされるように管理会社の働きをチェックし、改善を要望します。そして改善が難しいと判断した場合には、管理会社の変更を恐れずに実施しています。
まとめ
・管理会社への丸投げでうまくいく時代は終わっている
・管理会社の選び方を間違えると、収支が悪化して最悪破たんすることもあり得る
・管理会社を能動的に選ぶ時代であり、管理会社を能動的に動かす力が必要
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