不動産会社は投資家の利益など考えない

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不動産会社の多くは、不動産投資初心者を狙って高い物件を売りつけ、楽に手数料を得ようとしている、と説明しましたが、不動産販売会社のテクニックについて、もう少し深く掘り下げていきたいと思います。

 

不動産投資をする上で、気になるのが、どのくらい収益が出せるのか、ということでしょう。それを説明する上で、重要となるのが「キャッシュフロー」です。キャッシュフローとは、家賃収入から返済金と管理費を引いた金額により導き出される数字で、いわば手元にどれ位のお金が残るかという「手残り金」のことです。

 

例えば、部屋数が8戸ある一棟アパートを所有していたとします。毎月の家賃は6万円と仮定すると、一ヶ月に48万円の家賃収入が得られることになります。月々に支払うローンが35万円、月々にかかる管理費(修繕費や管理会社へ支払う金額など)が3万円であった場合、月々のキャッシュフローは10万円という計算になります。

 

不動産販売会社は、この数値だけを見せ、不動産を所有しているだけで月々10万円もの収入が得られると説明してきます。しかし、不動産賃貸経営には、空室になった場合、家賃収入が得られないという「空室リスク」が付いてまわります。

 

また、6万円という家賃ですが、新築時は6万円であったとしても、築古になっていくにつれ、徐々に値下げを余儀なくされるでしょう。値下げをすることになったうえに、空室が続いてしまったら・・・。
さらに、大規模修繕が必要になったら・・・。

 

月々10万円のキャッシュフローなどとても得ることができませんし、場合によっては毎月数万円の赤字がでることも有り得るのです。さらに、この他に家賃収入に対する「所得税」なども引かれることになります。

 

しかし、ここまできちんと説明してくれる不動産販売会社はとても少ないのが現実です。そんなことまで説明していては、物件が売れなくなり、会社としての利益が得られないためです。それにそもそも、税引き後のキャッシュフローまで正しく計算できる知識のある営業マンなんて、滅多にいません。

 

リスクは説明せず、良いことばかりをいい、さも簡単に儲かるかのような計算式だけを提示して不動産投資初心者に販売し、売買手数料を得ようとする不動産販売会社は多数存在します。物件を購入してくれた人が、不動産投資に失敗し、多額の借金をしてしまおうが、既に売買による手数料を手に入れた不動産会社としては関係のない話なのです。

 

投資家の利益より、自社の利益の方が大事なのです。そのような不動産会社の思惑に引っかからないようにするためにも、営業担当者の説明を鵜呑みにせず、真実を見抜く目を持つ必要があります。

 

また、最近、「不動産コンサルタントに騙された!」という話をよく耳にします。話を聞くと、「不動産コンサルタントに相談し、勧められた高い物件を買ったのに、利益が出ないどころかこのままでは損をしそうだ・・・」というような内容が多いです。

 

たしかに、不動産コンサルティング会社の中には悪徳なところもあるのは事実ですが、果たして、悪いのは本当に不動産コンサルタントだけなのでしょうか?

 

不動産コンサルタントとは、不動産に関する相談に乗り、アドバイスしてくれる人のことです。不動産は、金額の非常に大きな買い物ですから、不動産投資をするにあたって、絶対に失敗したくない、という当然の思いから、誰かに相談したい、と考えることでしょう。そういったニーズに応えることのできる不動産コンサルタントは、近年とても人気があり、利用する方も多いといいます。

 

しかし、先程も不動産販売会社は「商売」であると書いたように、不動産コンサルタント、彼らもまた、相談を受け、アドバイスをすることでお金を得ている、「商売人」だということを忘れてはいけません。

 

不動産コンサルタントが得ている利益は、相談料だけとは限りません。物件紹介付きコンサルタントの場合、提携している不動産会社の物件を紹介し、成約に至った場合、その物件の販売手数料の一部を得ることができるのです。販売手数料は、コンサルタント料を大きく上回る金額であるため、物件を売る方が儲かることになります。

 

それゆえ、相談に来た人に、どんな物件であっても、さも良い物件であるかのように売ってくることがあるのです。そしてこの場合、特に不動産投資初心者が狙われてしまうのです。不動産コンサルタントを信じきってしまい、彼らが勧める物件を言われるがままに「良い物件」と思い込み、成功が約束された気になってしまうのです。その結果、「不動産コンサルタントに騙された!」という思考になるのです。

 

勿論、良いコンサルティング会社もありますが、このような考えの人たちは、すべてをコンサルタント任せにする傾向があり、たとえ良い物件が紹介されたとしても、自ら考えることをしないため、失敗に転じてしまうのです。

 

このように、不動産コンサルタントが不動産を紹介し販売することは、時として利益相反になるので、私は買主側のコンサルティングについては行っておりません。

 

不動産投資で失敗したくないという気持ちはとても良くわかります。しかし、そのような大きな買い物を、不動産コンサルタントという、所詮他人に過ぎない誰かに全て任せきりにしてしまうのはどうでしょうか。

 

金額の大きな、人生の中での重大な買い物であるからこそ、他人に任せるのではなく、自分で考え、自分で学び、自分で決断することが重要なのではないかと私は思います。もっと厳しいことを言わせてもらうと、不動産コンサルタントに頼って、言われるがままに物件を購入しているような方は絶対に成功できません。

 

必ず、自分の意見を持ち、自ら考えたうえで不動産投資に臨む、これが不動産投資で継続して成功していくためには絶対に必要なマインドなのです。

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