地方新築アパートの家賃下落リスクを甘くみない

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投資物件を購入する際に、多くの方が不動産業者の作成したシミュレーション資料やアドバイスを参考にしていることと思います。ただ、実はこれが不動産投資を失敗へと導いてしまう恐れがあります。なぜなら、不動産業者が提示してくる「利回り」は、「現実の利回り」ではないからです。

 

 そもそも利回りとは、不動産投資の年間収益を物件価格で割った比率のことを言います。例えば年間家賃収入が100万円の物件を1000万円で購入したのであれば、単純計算で10%の利回りとなります。

 

 利回りは、投資判断を下す上で最も重要な指標ですが、新築アパートを購入する際に、不動産業者が提示してくる利回りについて、本来であれば物件価格に含むべき外構費や地盤工事費、その他諸経費、消費税などを控除して計算しているのです。

 

 例えば事業費7千万円規模の木造新築アパートの場合、実際の総事業費については8千万円規模になります。そのため、不動産業者が7%台の表面利回りを提示してきたとしても、実際の表面利回りは、6%台だったというケースは日常的に発生しています。

 

「詐欺じゃないか」と思うかもしれませんが、シミュレーション表をよく見ると、必ずどこかに小さな文字で「※消費税及び諸経費相当額を控除した金額で算出」といったような記載がされているはずです。これをなんとなく見逃してしまうと、実際の利回りとは懸け離れたシミュレーションを鵜呑みにしてしまうことになります。

 

もしも不動産業者が収益シミュレーションを提示してきたら、どこかに注釈がないか必ず隅々まで確認してください。

 

 新築アパートの場合、10年もすればほぼ間違いなく家賃が下落してきます。そのため、新築アパートに多い低利回りの物件を購入した場合、家賃が5%〜10%程度下落すると徐々に収支が悪化し始めます。そうなれば次の選択肢としては「売却」して売り抜けることを考えますが、ここでも壁が立ちはだかります。

 

築10年程度経過したアパートについては、最低でも10%近くの利回りがなければ融資が引けません。仮に買った時の利回りが5%であれば、その半値でしか売れないという計算になるのです。当然それでは残債が相殺できないため、苦しいながらも持ち続けるしかありません。

 

これが新築アパートに潜む失敗リスクです。

 

【数字で見極める際のポイント】

 

不動産業者の利回りは、現実の利回りではないため、総事業費をもとに必ず自分で現実の利回りを計算する

 

10年後には最低でも5%〜10%は、現状の家賃から下落することを前提として利回りを予測する

 

築10年で売却をするには、最低でもその時点で10%の利回りが必要と考える

 

 このように、新築アパートは新築時点の「現実の利回り」がある程度ないと、購入直後でほぼ失敗が確定してしまうのです。新築だからといって、利回りが低くても大丈夫ということは決してないのです。

 

 なお、万が一誤って地方の低利回り物件を購入してしまった場合は、購入直後の1年目ですぐに売却して売り抜けるのが得策です。1年目であれば金融機関も新築として扱ってくれる可能性があるため、2年目以降に売却するよりも、高く売れる可能性が高いからです。

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