不動産投資の電気代削減の具体的な方法について

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電気料金の削減方法

契約電力を下げて、電力使用単価を下げていくためには、賃貸経営でどのような方法があるのかを紹介していきましょう。

 

電気料金を下げる方法とは
賃貸経営で、電気料金を下げるには、大きくは、4つの方法があります。

 

@電気の使用量を減らす
点灯する時間帯を減らしたり、照明器具をLEDへ変更し、節電します。設置費用はかかりますが、LEDの単価が下がってきたことと長寿命であることから、投資対効果に見合うものになっています。

 

A契約容量・種別を変更する
電気の使用状況を調査して、建築時の想定より使用電力が低くなれば、より電気代が安くなる契約に変更することが可能です。契約容量を50Aから30A、10Kwhから5Kwhのように契約容量を変更する方法です。

 

B電子ブレーカーを導入する
通常のブレーカーは、許容範囲以上に電流が流れたら、遮断して機器を保護する役目です。電子ブレーカーは、許容範囲をマイコンで制御され、ぎりぎりまでブレーカーが落ちないため、より小さい容量・契約種別で契約が可能になるため、基本料金等が下がります。

 

C一括受電サービスを導入する(30戸以上のアパート・マンション)
共用部分の契約容量が50kW以上の場合は、東京電力の場合、6,600Vの高圧で電気を供給し、需要家側で自家用の受変電設備(キュービクル)を用意して100〜200Vに下げて利用することになっています。この受変電設備を設置するケースは、今までは、企業が中心でした。

 

その受変電設備をマンション側で設置すれば、企業と同じく、電気料金も一般家庭向けの料金と比較すると安く設定されております。そのため、電気代が10%〜20%程度安くなる可能性があります。

 

 

電気の使用料を減らす
電気料金を削減する上で一番手っ取り早いのが、電気の使用量を下げることになります。

 

・電気使用時間を下げる:点灯する時間を17時〜朝8時にしていたものを18時〜朝6時のように点灯する時間を変更することで電気料金を下げます。入居者の安全のためにも、無理に行う必要はありませんが、点灯時間が早かったり、消灯時間が遅かった場合は、調整してみると良いでしょう

 

・間引きする:すべての照明を点灯するのではなく、ひとつ置きくらいに点灯させ、間引きする照明は蛍光灯を外すなどで対応してみると良いでしょう。

 

・LED照明に買える:廊下の蛍光灯は、20w〜30wの消費電力ですが、LEDにすると9w程度まで下がります。つまり、LEDにすべて変えると、消費電力は、約半分になります。

 

 

契約容量・種別を変更する
・電気容量が減ると、契約電力変更できる
 LED等で電気使用量を下げることができれば、使用料が減るだけでなく、契約容量を、50A→30Aのように変更することが可能になります。

 

・使用電力の最大値が間違っている
 賃貸マンションの共用部では、エレベーター・貯水槽の動力等の設備を低圧電力で契約しています。低圧電力は、1kwhあたりで基本料金が決まり、使用料に応じて電気料金が決まります。建築時でよくあるのですが、動力の合計値を間違っており、本当は6kwhでいいところが、10kwhになっていることもあります。
 基本料金が、4000円超変わってきますので、変更後のコストが大きく削減できます。

 

(参考:低圧電力)

 

電力会社 基本料金(1kw) 夏季(1kwhあたり) それ以外(1kwhあたり)
東京電力 1071円 16.50円 14.99円
中部電力 1092円 12.27円 11.16円

 

・バックアップ動力が同時作動しないのに2倍の動力計算になっている
 貯水槽などでモーターが2基設置されています。1基が壊れたら2基目が作動するタイプでは、2基同時に動かないケースがあります。但し、建築当時は、2基同時稼働を想定して最大の電力使用量を設定していることがありますので、2基同時に稼働しない場合は、半分の契約電力に下げることができます。
 この場合は、契約方式を負荷設備契約から主開閉器契約に変更する必要があります。設備電力量の最大値で決まる負荷設備契約を変更することで安くなることがあります。

 

  • 負荷設備契約:設備容量(モーター)の総合計kWを契約容量とする方法。機械の稼動にかかわらず、設備容量の総合計で契約が決定します。

 

  • 主開閉器契約:設備容量(モーター)の総合計kWに関係なく契約容量する方法。機械の稼動状況を測定したA数をkW換算し、契約が決定します。

 

・契約メニューの変更:例) 東京電力 低圧+従量電灯をおまとめプラン(低圧高負荷契約)に変更
賃貸マンションは、従量電灯B、C(100V)と低圧電力(200V)で契約されていることが多いのですが、電灯と低圧電力の合計が15kW以上50kW未満であれば、東京電力では「おまとめプラン低圧高負荷契約」に変更すると安くなる可能性があります。

 

「低圧高負荷契約」の場合は、使用料金単価と基本料金が高くなりますが、従量電灯の2段目単価と3段目単価と比較すると、安くなるので、使用実績に基づいて、安くなるかシミュレーションすると良いでしょう。

 

その他にも契約メニューの変更で安くすることもできますので、各電力会社のプランをよく見てみると良いでしょう。

 

電子ブレーカーを導入する
賃貸物件で使用している機器は、エレベーター、給水ポンプ、機械式駐車場等がありますが、竣工当初はすべての機器の電気容量を合計した最大値で契約している場合が殆どです。
電気契約は、ブレーカーが落ちてエレベーターが停まったり、給水機能のが停まったりすると困るので、ブレーカーが停止しないように、単純に足し合わせた合計値として、余裕を持たせた負荷設備契約となっていました。

 

しかし、エレベーターや機械式駐車場は、照明のように連続して長時間稼働しているわけではありませんので、実際に必要な電気容量は、契約容量よりも少なくて大丈夫です。そこで、設備容量にかかわらず、実際に機器が稼働する時のブレーカーに流れる電流値を基に、ブレーカー容量の大きさで契約する方法があり、これを主開閉器契約(ブレーカー契約)といいます。この方式に変更することにより、契約容量を下げることができれば、その分の基本料金が下がりますので電気代が当然に安くなります

 

ブレーカーに流れる電流値を計測する機器が電子ブレーカーになります。電子ブレーカーは、ある一定の数値まで、最大限効率よく使用することができるようマイコンで制御された装置です。

 

余裕をもたせていた分について電気料金が高かったのですが、ブレーカー容量までぎりぎりまでマイコンで制御するため、余裕をほとんど持たせる必要がないから、契約する電気容量が減り、電気代が削減できる仕組みとなっています。

 

賃貸物件で電子ブレーカーを導入して威力を発揮するケースは、エレベーターや機械式駐車場など、短時間に大きな電力を消費する設備がある場合です。そして築年数が経過しているマンションでは、現在の省エネタイプではないので、節約できる可能性があります。

 

動力によりますが、コスト削減効果は20%〜40%程度見込めます。電子ブレーカーの導入コストは一時期に比べると安くはなっていますが、40万〜70万程度は掛かるので投資対効果を見極めながら導入を検討しましょう。

 

一括受電サービスを導入する
電力契約を入居者毎の「個別契約」からオーナーが一括受電業者から電気を購入する「高圧電力一括契約」に変更することにより、電気料金を削減できます。工場や商業施設、テナントビルなどは電力会社との高圧契約により安い電気を購入しています。一方で、賃貸マンションは戸別の従量電灯契約で、両契約の料金単価には価格差があります。

 

  • 高い 従量電灯契約 > 高圧契約  安い

そこで、電気契約を賃貸マンション1棟で一本化すれば、割安な高圧契約が可能となり、これまでよりも安く電気を受電することができます。一括受電業者が高圧の安い電気を電力会社から購入し、その電気を自社の変圧装置で100〜200ボルトまで下げて入居者へ再販売することになります。

 

オーナー側のメリットは大きく3つあります。
・入居者に電気料金を安く提供できること=入居者が退去しにくい
・電気販売におけるオーナー利益が生まれる
・共用部の電気代が削減できる

 

契約の変更で必要となる毎月の検針・請求業務、また電気設備の保守管理業務を一括受電業者の業務委託会社に代行します。基本的にはオーナーには負担がなく開始できます。

 

但し、いいことばかりではなく、デメリットが2つあります。

 

・賃貸マンションに    受変電設備(高圧を100〜200Vに下げる装置)が必要になります。一括受電業者が費用負担を持つケースが多いですが、破綻した場合にどのように運営がされるのかに不安が付きまといます。

 

・最大の難関は、既存入居者全員の合意が必要となることです。

 

まとめ
電気料金は、いろいろな方法で削減できます。電気の使用量を減らすは割と身近な取り組みですが、契約種別や電子ブレーカー、一括受電まで行きますと、賃貸経営者ではやや検討のハードルが高くなります。プロの専門家を入れて対応した方がいいでしょう。

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