空室対策 集客強化:ストーリーで差別化する
賃貸経営で集客するというのは、募集している部屋をWEB検索で見てもらい、問い合わせまで行動を起こしてもらうことです。たくさんの人に見てもらうためには、WEBの露出度を上げていけば、家賃が適正であれば簡単に上がっていきます。
そこから、この部屋をみたい=問い合わせする、というところにハードルがあります。問い合わせするという行動には、何かしらの理由が存在します。
・募集条件が自分の出せる家賃にぴったりだ
・エリアが憧れのエリアだ、勤務地に近い場所だ
・商品:この部屋に住みたい など
探す方のタイミングによって、この問い合わせまで行くには大きく異なります。具体的な転居時期が決まっている方は、どちらかというと条件が合うものを探してきます。
転居時期が決まっている方の問い合わせ
部屋がおしゃれかどうかは後回しで、条件にあう物件を探し、条件にあう範囲の中で自分の感性(おしゃれ、かっこいい等)にあったものにします。
条件
・家賃は5万~5万5千円までの幅
・3点ユニットではなく、セパレートタイプ
・駅から10分
・エリアがXX線のXX駅からXX駅まで
・礼金、敷金ゼロ
+最終的に感性にあうもの(部屋の内装等)
というような形です。
同じ条件がたくさんあれば、その中で差別化しているものに問い合わせがいきます。
こちらの差別化は比較としての差別化が大きく、周辺の物件が取り組んでいない斬新さがあれば目に留まりやすくなります。ストーリーというほど大げさではなく、斬新なカラーを使ったクロスなどを前面に押し出すだけで差別化できることになります。
まずは、問い合わせで狙うのはこのような差別化です。周辺との比較検討の中で優位になる差別化をしておくことです。
次に、具体的な転居時期が決まっていない方です。
具体的な転居時期が決まっていない方
具体的な転居時期が決まっていない方は、感性にあうものを探します。そして特徴的なのは、SUUMO、HOMESのポータルサイトだけでなく、いろいろなサイトを見る傾向があります。わかりやすいところでいくと、古民家が代表的です。
古民家に住みたいなと思う方は、家賃などの募集条件やエリアを絞りません。古民家をキーワードにホームページを探します。古民家での田舎暮らし、ナチュラルな生活、自然豊かな環境での育児、などイメージがあるサイトが人気です。
ポイントはイメージを膨らませるところです。イメージを膨らませるようなストーリーのあるサイトが非常に受けるのです。ここに住めば、「こんなストーリーある生活ができるんだ」の感性に響くと、もはや家賃で交渉しようというタフなネゴシエーターではなく、ここに住まわせてくださいに変わるのです。
賃貸経営での集客は、ここでどうしても住みたいと思わせるストーリーが最も強いのです。このような集客ができれば、入居待ちができるほどになります。空室対策など無縁となります。
ストーリー作りが空室対策の最強のツール
ストーリー作りというと難しく感じますが、相手に強烈にインパクトを与えればいいのです。
例えば、
・物件の弱点を逆手にとったストーリーを作る。狭いスペースは、考える部屋と銘打ったりして面白おかしくストーリー仕立てをすることでここに住むことで面白いイメージを膨らませる
・古い区分マンションには、建築現場の廃材で作った部屋にする。足場に使われていたペンキで汚れた板を床に貼ったり、防音シートを壁紙のようにつかったりして、建築現場風の部屋にしてみる。そうすると古さがまったく気にならなくなり、汚しても原状回復がいらないなどの工夫ができる。入居者が汚すほど価値がでてくる物件であればオーナーは楽です。
・古い民家で、浴室に行くのに、頭をくぐらないと入れないようなお風呂も、昔懐かしの古民家のように売り出すだけで、日本人だけでなく外国人も住みたい物件に変えてしまう
・10人中9人に嫌われる物件としてテーマパークマンションに変えてします。株式会社明来という会社がテーマパークマンションを実施していますが、「楳図かずおの紅白の部屋」という部屋があります。正直過激です。みたら、住みたいと私は思いません。ただこのような物件に住みたいという人も100人に1人くらいいるでしょう。部屋数は限られているので100人中1人でも住みたい人がいれば余裕で満室になります。
参考URL:http://www.aki-club.co.jp/designers_apartments/p_umezu/index.html
このようなテーマパーク物件はお金もかかりますし、難しいと思いますが、お金をかけなくても相手に強烈にインパクトを与え、賃貸だからこそ住んでみたいと思わせることはできるでしょう。
ストーリー作りの差別化は家賃が取れる
賃貸の部屋は同じようにみえても、まったく同じものはありません。間取りや方角、立地など細かく言えば異なるのです。せっかく異なる商品なのに、同じ見せ方をしていると、供給過多の賃貸マーケットでは、価格での差に焦点があたり、家賃下落に巻き込まれる環境になります。
内装や外装に手を入れるだけで印象を変えることができます。その印象を変えるときにストーリーをあわせてもつようにするのです。
ストーリーが有効に機能するためには、ストーリーに適合するホームページを作るのがベストです。もしくは、賃貸仲介大手にも特徴のある物件のような特集ページがあります。それを利用させてもらうのです。ペット可特集と同じような感覚で特設サイトを作ってもらえるように働きかけましょう。うまくいけば、圧倒的な集客が見込めるからです。
図式としては、下記のような単純な形になります。
【ストーリー作り=付加価値あり=家賃が高く取れる】
【何もしない=付加価値なし=競争が激しいので家賃競争に巻き込まれやすい】
どちらを選択するかは、収支と賃貸経営者としての判断となります。投資をせず、家賃勝負でも十分収支が回るのであれば、あえてストーリーを作る必要はないかもしれません。
今後賃貸経営の環境はより激化してきたときには、このストーリー作りのノウハウの差が稼働率の差にはっきりと表れてくると考えています。
まとめ
商品にストーリー性を持たせるというのは、賃貸経営以外のビジネスでは普通に行われていることです。賃貸経営にも他のビジネスで取り組んでいることを積極的に取り組まざる得ない環境になっていると言えます。今後の空室対策では、ストーリー作りに成功した物件とそうでない物件の差が大きなものになっていくでしょう。
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